運動会といえば、子どもたちが一生懸命に走り、競い合う姿が思い浮かびます。
かけっこやリレーで順位を争い、勝ったチームは大歓声に包まれ、負けたチームは悔しさを胸に秘めながらも、次の機会に向けて奮起する。
私は息子が小学校に行き初めて気づいたのですが、
今は対抗リレーがないのです。
点数付けはもちろんあるものの、対抗リレーは近隣の小学校でも廃止されているようで最近はみかけません。
対抗リレーは最後に大盛り上がりする種目だったのに…
近年ではこの「順位づけ」という概念が少しずつ変わりつつあります。
ここではその背景や現状についてお話しして行きます。
かけっこは順位づけしない?
ここ数年で変わった競技は、特にかけっこやリレーなど。
順位をつけない、もしくは順位を明確に発表しない学校が増えてきています。
これは、順位づけによる競争心の強調が子どもたちに負の影響を与える可能性があると懸念しているためです。
競争に勝つことで得られる達成感や自信は大切ですが、逆に、負けることで自己評価が下がり、劣等感を抱いてしまう子どももいます。
特に幼い年齢の子どもたちは、まだ自分自身を適切に評価する能力が未熟なため、順位をつけることによる心理的な負担が大きくなることがあるのです。
また、教育の現場では「みんな違ってみんないい」という、多様性を尊重する考え方が広まってきています。これに伴い、運動会も単なる競技の場ではなく、子どもたちが自分自身を表現し、楽しむことができる場として捉え直されています。
かけっこやリレーにおいても、順位よりも参加することや、全力を尽くすことに価値を置く方向へと変化しています。
いつから変わった、運動会事情
運動会のあり方が変わり始めたのは、2000年代後半からとされています。
特に、2008年頃から「順位づけしない運動会」が一部の学校で取り入れられ始め、次第に広がりを見せてきました。
この流れは、教育改革や子どもの権利に対する意識の高まりとともに進行しました。
この変化の背景には、いくつかの社会的・教育的要因があります。
まず第一に、子どもたちの精神的健康に対する関心が高まったことが挙げられます。
2000年代に入ってから、子どものストレスや精神的な健康問題がクローズアップされるようになりました。これに伴い、教育現場では子どもたちに過度なプレッシャーをかけることなく、安心して楽しめる環境づくりが求められるようになりました。順位づけをしない運動会は、その一環として考えられたのです。
また、少子化の影響も無視できません。
少子化により、子ども一人ひとりへの注目度が高まり、個別の成績や成果よりも、全体としての協力や楽しみを重視する傾向が強まっています。これは、子どもたちが一体感を持ち、互いに支え合うことができる場を提供するという目的にも合致しています。
さらに、社会全体で「競争」よりも「共生」を重んじる風潮が強まってきたことも、運動会のあり方に影響を与えました。これまでは、勝者が称賛され、敗者は次の勝利を目指して努力するという競争の文化が主流でしたが、今ではむしろ、すべての参加者が楽しみ、達成感を得られるようなイベントが求められるようになっています。
こうした変化は、必ずしもすべての学校で一様に進んでいるわけではありません。一部の学校では、従来の順位づけを行う運動会が依然として続いています。
しかし、全体的なトレンドとしては、子どもたちが競い合うだけでなく、共に楽しむことができる運動会が主流になりつつあります。
運動会の未来。運動会は無くなる?
今後、運動会はさらに多様化していくと考えられます。地域や学校ごとに異なる特色を持つ運動会が増え、子どもたち一人ひとりが自分らしく参加できる場が広がっていくでしょう。
かけっこやリレーだけでなく、ダンスやパフォーマンス、チームビルディングの要素を取り入れた新しい形の運動会が登場する可能性もあります。これにより、すべての子どもたちが自分の得意な分野で輝くことができる運動会が実現するかもしれません。
運動会は、子どもたちにとっての大切な思い出の場であり、成長の機会です。
順位づけをしない運動会の流れは、単なる競技の枠を超え、子どもたちがより安心して、自分自身を発揮できる環境を提供するための一つのアプローチです。このような変化が今後も続くことで、子どもたちが心から楽しめる運動会がますます増えていくことを期待しています。
かけっこの順位付けしない?いつから変わった運動会事情。まとめ。
いかがでしたか?
昔のように対抗リレーや順位を競う物が減ってきてるのはなんだか寂しい気もしますが、現代の社会において子供達がストレス感じる事なく各々の個性を活かせるような競技作りが行われているのかなと思いました。
しかしながら、走るのが得意な子の個性がキチンと生かせるような場も作ってあげたいですね。